横から見た OpenDolphin-2.7m

OpenDolphin というオープンソース?の電子カルテがある。

オープンソースである(あった?)から、ソフトの素になるソースコードは公開されており、これをベースに各種派生版が存在している。

OpenDolphin-2.7m

知り合いの先生(猪股弘明先生、精神科医。HorliX の開発者としてもその筋では有名かな)が OpenDolphin-2.7m という派生バージョンを作成し、それなりに認知されている。

どんなものかは見てもらった方が早いでしょうか。




OpenDolphin-2.7m に関してあれこれ言う人がいたので、傍から見た立場で述べてみたい。

なお、私自身はエンジニアでもなんでもないので技術面に関しては特に強く触れず、その周囲の状況みたいなものをまとめていく。


前期 LSC 関連の方々


「あれこれ言う人」と書いたが、実はそんなにはいない。
もっぱら、前期LSC 開発時代に関係していた人に特定されている。なお、前期LSC とか後期LSC という区分は『OpenDolphin -wikipedia風解説-』あたりを参照してください。

変に絡まれるとイヤなのでイニシャルでいきます(笑)。

まず、M さん。
この人ほど、OpenDolphin ガラミで時が経つにつれ評価が変わった人もそうそういないと思う。

前期LSC時代までは、スター級だったと思う。
和歌山で開業しながら、独自に派生バージョンを作成。
なんとそれを惜しみなく無料で配布していた(後述するように現在は有償で、オープンソースでもなんでもない)。

が、開発体制が変わった後期LSC 時代から、徐々にその影響力が薄れ、今では実質的には開発者認定されていない。

エース級の contributor から、「自称」contributor への転落。

この評価の激変っぷりには、私も?だったのだが、ある人が言うには

・GitHub 上ではソースコードを提供した痕跡はほぼ残されていない

・医学部しか出ておらず(=プログラミングの系統だったトレーニングを受けていない)、かつ、それまで学術的な業績がほぼゼロ(=研究・開発の経験なし)の医師が突然 Java でプロ級のコードを書くのは不可能に近い

だそうで、

「おそらくは(初期の導入段階では手を動かしてソースのビルドやデプロイくらいはやっていたのかもしれないが、少なくともある時期からは)出入りの業者か何かある程度 Java が書ける人が書いたコードを自分名義で発表していたか、いわゆる『歯医者さんが考えた歯ブラシ』のようにアイディアを出した・監修した程度の関わりじゃないか。実際、開発者というのも「(前期LSCとの)契約上」そうなっていただけというのが現在ではわかっている」という推測をしていた。

この説を信じるか信じないかはその人次第だと思うが、私はある程度納得できた。

ソースコードの本格的な実装の仕方に比して、普段の言動が釣り合わないという印象を持っていた人は多いようだ。
例えば、こんなX(twitter)の投稿。

masudanaika-tweet-2018-11-27.png

トライアル版限定で使用期限を設定するのが、なんで(トライアル版でない方の)アプリの見読性を損ねることに繋がるんだろうか?
特殊と一般という概念の混交に基づいて物事を認識しており、一般的な知能レベルの社会人ならこういったことは恥ずかしく言わない。

なお、M バージョン(通称「増田ファクト」)は、現在では電子カルテの推奨基準を全く満たしておらず、実稼働させるにはかなり無理があるし(以前はシステムクラフトという会社が取り扱っていたようなのだが、現在は取り扱っていないようだ)、このこと自体が上の推察を裏付ける根拠の一つになっているように思う。

その後、どこかの業者が拾ったのかわからないが、現在は有償ソフト(月額8250円)になっているようです。

opendolphin-masuda-not-free2.png

最近では、電子カルテには、電子処方箋などのいわゆる医療Dx 対応が求められている。
が、増田ファクト(opendolphin-m)は全く対応できていないようだ。
これでは実用的には使えませんね。


次に、K さん。
この人は、本当に危険な感じの人そうなので、ノーコメント(苦笑)。
ただ、私が地方の出なので特にそう感じるのかもしれないが、「お医者さんはお医者さんらしく立派であってほしいな」と思いますね。



メドレー(medley)時代

OpenDolphin は、事業としては、2020 年の夏に LSC からメドレーに譲渡がなされた。
私なんかからすると「即、CLINICS に強制移行」だと思っていたのだが、けっこうちゃんとメンテナンスしているようだ。

また、それまで曖昧になっていたライセンスなどもかなり明確化されたようだ。
ご興味ある方は、猪股先生が書かれた『OpenDolphin-2.7m のこれから』をお読みください。




なお、この記事のアイキャッチも『OpenDolphin-2.7m のこれから』からお借りしてきました。重ね重ね感謝いたします。



(適宜更新)



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